2012年07月06日

小説   烏 ①

夕暮れどきの田舎道

烏が一羽とまってる

うつむき歩く僕の上

電信柱でやすんでる


見上げた僕など意に介せずに

静かに夕日を眺めてる


オマエのキモチを教えて欲しい

群から離れた心の内を

オマエのリユウを聞かせて欲しい

孤独に生きるその意味を


呟く僕を意に介せずに

一声鳴いて烏は翔んだ

僕を残して翔んでった





重い足取りをとめてドアを開ける。

しんと静まり返る部屋にただいまを言うことなく、どかっと腰をおろす。

冷え切った食事が盛られた皿など押しのけて、ひじを付き頭を抱え込むと今日一日の疲労が足元に沈んでゆく。

とりあえず風呂にでも入ろう食事はそのあとだ。

更に重みを増した腰をあげ、荷物をベッドに放り投げると汗でへばりつく下着を脱ぎ始める。

なに、口うるさい娘も文句ばかりのアイツも今はいないのだから。

夜更けに浴びるシャワーは、やけにぬるくて疲れなどいっこうに取れないことを感じながらボクは濡れるままに佇んでいた。


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 小説   烏 ② (2012-07-10 21:08)

Posted by いちごはニガテ(゜o゜) at 21:05│Comments(0)小説
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